2010年10月31日

『死刑台のエレベーター』

死刑台のエレベーター


終始淡い(暗い)トーンの映画でした。この手の「ボタンの掛け違い」が生む悲劇的お話(でもまあ皆さん自業自得っすよね)、全然嫌いじゃないんだけど、物語の重心がわかりずらいというか、軽いというか…赤いコートもどこか空回り。もっと湿気の強い作品に仕上げたほうが良かったかもと。そうすると三角関係「手都芽衣子(吉瀬美智子)、時藤隆彦(阿部寛)、手都孝光(津川雅彦)」の描きかたがドライで淡白。そのために、本来もっと真に迫るべき芽衣子の最後の台詞には重みが感じられなかった。吉瀬さんは好きなんだけどなぁ。彼女には少し力不足だったこともあるかもしれない。

善悪の境界線を何の躊躇もなく越えてしまう美容師(北川景子)や警官(玉山鉄二)のバランスの欠け具合は今の日本の風景とも取れるが、彼らを含めて完全燃焼した登場人物は少なく、何か判然としないまま観終わってしまった。
半世紀も前に制作された洋画をリメイクするおもしろさはあると思うし、期待値がちょっと高かったんだろうと思う。でもまあまあ楽しめました。

 ・映画『死刑台のエレベーター』公式サイト
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2010年10月28日

『ロング・グッドバイ』

The Long Goodbyeコレは面白い。長篇作品で、すっかり探偵フィリップ・マーロウ(何だかたばこの銘柄のような名前だ)の世界に引き込まれてしまった。受け売りよろしく「何度読んでも、なお読まれることをひそかに待つ細部を保持し続けるテキストこそが、すぐれた小説作品」と呼ぶのなら、村上春樹訳『ロング・グッドバイ』はまさにその一冊になるのだろう。
村上さんには、まるで真綿に水が染み込むようなあらゆるものを吸収する少年期に手にしてから何度となく読み返してきたというチャンドラーの作品だけあって、とても「楽しい作業」であったに違いない。本書の親しみやすさの裏には文章家としての経験以上にそういったものが少なからず影響を与えているような気がする。また、村上作品の原点に触れる面白さもあって、例えばそれはあなたに『ダンス・ダンス・ダンス』『羊をめぐる冒険』の具体的なシーンを彷彿させるかもしれない。

マーロウが巻き込まれる事件の真相とその背景にあるもの、迎える結末、そして印象的な登場人物たち…。是非。
posted by rattlehead at 14:54| 大阪 ☔| Comment(0) | TrackBack(0) | books | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2010年10月18日

LOUD PARK 10@神戸ワールド記念ホール

Loud Park 10


10月16日(土)。午前11時ちょうどにはじまって、終演したのが晩の9時15分。OZZY OSBOURNEをはじめ、総勢8組による神戸での『LOUD PARK 10』。ようやく関西でも関東に近い形で開催されたのはイイことだと思います。今後の課題として、関東とは違う特色を打ち出していく必要はあるんだろうけど。そこにはファンが一緒になって作り上げてく気持ちも大切か。
あくまで私感であることをお断りして一言ずつ。。。

ロック振興国であるフィンランドのTURISAS。ヴァイオリンや紅一点のアコーディオン奏者が男臭いサウンドに彩りを添えていて楽しめた。
LOUDNESS。うるさいだけで何をやりたいのかさっぱり。ホントに残念。
KUNIさん。聴き覚えのある楽曲が何曲か。あ、SLAUGHTERの人がヴォーカルでフランキー・バネリが叩いてたんだ。納得。
SPIRITUAL BEGGARS。まとまりのある演奏でした。
ANGRA。マジメで人柄の良さが浮かび上がるようなライヴ。彼らの熱い気持ちは確実にオーディエンスに伝わったと思います。
A7X。数年前に観たときとは別バンドのように感じました。悪くはなかったけど何か違う感じ…。
MOTORHEAD。爆音"Overkill"で飯三杯イケます。

そして、ヘヴィ・メタルの帝王OZZY OSBOURNE。あの個性的な歌声はハード・ロック黎明期のPAの改良と機材の進歩の中で培われてきたものだと実感できた。最高。

 ・LOUD PARK 10 OFFICIAL SITE
タグ:live
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2010年10月13日

『ティファニーで朝食を』

Breakfast at Tiffany's本篇の表題作のほかに、オマケ(?)がいくつかはいってて、その3つの短篇の方が何かしら感じやすいものがあるかもしれません。中でも「クリスマスの思い出」は、少年の無常さを儚く描けた胸が詰まる作品だと思います。

映画『ティファニーで朝食を』(1961)はヘンリー・マンシーニの音楽がとても素敵な映像作品であることは間違いありませんが、あとから原作を読むにはその印象が強すぎてどうもイケない。はっきり書くと邪魔になる。結末も含めて原作のディテールとは異なる部分が多く、また、物語の核心に触れるシーンは描かれていません。すべてのカットが名画になるような洒落た作りは、良くも悪くもオードリー・ヘップバーンありきで製作されたんだろうなと(違?)。貶してるわけではありません。
もし、映画を観て、カポーティが描いた本来のホリー・ゴライトリーにも興味が湧いたのなら是非一読することをオススメします。両方まだなら先ずは小説を。

村上さんの訳者あとがきはいつもながら読みやすく、分かりやすくて感心させられます。
posted by rattlehead at 15:39| 大阪 ☁| Comment(0) | TrackBack(0) | books | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2010年10月02日

BIG SLEEP - 「BLUEBELL WOOD」

Big Sleep_1st10月の一枚。夏の喧騒も過ぎ去り、少し落ち着いて音楽と向き合いたいところ。1971年、BIG SLEEPの唯一作「BLUEBELL WOOD」は素朴で秋の情趣を見るようなロック作品であり、68年にアルバム・デビューしたEYES OF BLUEの実質三作目に当たるそうだ。
ラジオで聴いたのが最初。何時のことだったか、どの曲だったかも忘れてしまったけど、オルガンの音色が印象的だったのは覚えてる。しかしこうやってじっくりと向き合う機会を得て、オルガンだけがずば抜けているのかと言えばそうでもなく、均整のとれた非凡なグループであることが理解できる。それにしてもこの屈折したアルバム・カヴァーは良いのか悪いのか…中身と一致するとは言い難いデザインというのも困り者で、まあちょっと損してるのは否めない。音楽的にはほとんど文句のつけようがないだけにそれさえ解消されれば新たな支持も期待できそうなんだけど。

一曲目から英国叙情垂れ流しってやつで、ピアノにストリングスが感傷的に鳴り響く名曲。このあとGENTLE GIANTへと参加するジョン・ウェザーズのドラミング聴きたさに選んでみたってとこが実はあるが、牧歌的な風景が目に浮かぶような音の姿は静かな感動を与えてくれる。ジャケットに騙されてはイケない。
終盤に圧倒的なプレイを控えているのは11分をこえるタイトル曲。オルガン、ベース、ドラム、ギターが拮抗しながらエンディングへと向かう、その持ってる力をすべて出し切らんとする様に彼らの誇り高さを感じるのであります。

BIG SLEEP - 「BLUEBELL WOOD」
(1971)
1. Death Of A Hope (5:35)
2. Odd Song (3:54)
3. Free Life (6:29)
4. Aunty James (4:44)
5. Saint & Sceptic (6:36)
6. Bluebell Wood (11:26)
7. Watching Love Grow (2:35)
8. When The Sun Was Out (3:42)

produced by Lou Reizener

Phil Ryan - Organ, Piano
Ritchie Francis - Bass, Piano, Vocals
John "Pugwash" Weathers - Drums, Vocals
Raymond "Taff" Williams - Guitar
Gary Pickford Hopkins - Vocals, Guitar

"Free Life"
タグ:プログレ '70s
posted by rattlehead at 13:03| 大阪 ☁| Comment(0) | TrackBack(0) | music | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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