2010年12月21日

『ノルウェイの森』

ノルウェイの森


過去何度となく読み返してきた『ノルウェイの森』、小説というフォーム以上に物語を豊かに語る手段はないのだと、原作の素晴らしさに触れる映画だった。それでは映画そのものは良かったのか悪かったのか…多分両方あったと思う。
鮮やかさを帯びた映像。日本人の監督では描けなかったものも多々あるだろう。菊地凛子の迫真の演技をはじめ、主人公ワタナベ役の松山クンも健闘とキャスティングもハマっていた。見入るようなシーンもあった。ただ、小説では気の利いた警句も映画の台詞になるとあざとく聞こえたし、もう少し緑やレイコさんの内面を、また直子とレイコさんは互いに補完する関係にあったことを知らなくては映画で解釈は難しいのではないか。全体としてはシーンの断片をただ引っ付けた印象が強くていけない。
原作にあった病室での緑の父とワタナベの間に交わされる親密な空気、それはたしかに誰かに愛され、また傷つけもするワタナベの魅力を象徴的に語った個人的に一番好きなところで、描いてほしく残念であった。
しかし映画化が難しいとされるなかで、これだけ原典に近いイメージで作り上げたトラン・アン・ユン監督の情熱は正しかったと思う。

それにしても累計発行部数が1,000万部を超える大ベストセラーの映画にしては空席が目立ってたなあ。。。

 ・映画|ノルウェイの森
posted by rattlehead at 14:32| 大阪 ☀| Comment(0) | TrackBack(5) | movies | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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